散歩をしていた猫

      6年近く前の5月下旬に長久手のギャラリーで不思議な猫に出会った。
      ギャラリーの入り口から飛び出して、のんびり歩いているのだ。
      中に入ると展示中の作家が、一人で来場者の応対をしているのを目にする。
      銀色の針金で作った様々な作品が、白い壁や台の上にセンス良く飾られていた。

      ここは「象家」というギャラリーで作家は橋寛憲さん,初めて話を交わした。
      いろいろな作品を見ているうちに、先ほど出会った猫のことが気になって聞いてみる。

      物静かな語り口で「イリオモテヤマネコという名前です。西表島に住んでいる絶滅危惧種なんですよ。」
      この日から橋さんとの繋がりができ、この猫は私のところへ来てくれた。
      本物1,5倍の大きさに作ってあるけど針金だから抱きかかえても軽い。


オモテと名づけた猫は 今朝も欅の木の下をゆったりと散歩していた


     
      「オモテ」が我が家に来てくれた3ケ月後に、19年続いた「ギャラリー象家」は閉鎖された。
      橋さんの個展のときから病気療養中だったオーナーが、残念なことに亡くなられたからである。
      オーナーだった横田さんは「長久手をアーティストが暮らしやすい町にしたい」と願っていたそうだ。
      その願いを引き継いだかのように、作家たちは長久手に住んだり制作を続けたりしている。
                                      4月12日(水) ひろ


現代アートは突然に

    現代アートは家に飾るものではない、という認識をずっと抱いていた。
    ゴミを適当に飾り付けたような作品,人目をひくことが目的のようなバカでかい作品だとか・・・
    絵画,彫刻,陶芸などの作品を日展系作家のイメージに重ねていたので、理解できなかったのだ。

    話は5,6年前に遡るんだけど、文化の家のアートスクールで「絵画講座」を受講したときのことだ。
    新しい講師はプロの画家で意欲的な人、人物デッサンにも陶芸作家をモデルに起用される。
    私はそれまで作家といわれる人とお付き合いがなく、しぐさも服装も新鮮なイメージが伝わってくる。
    2回の連続デッサン講座が終わった後、陶芸作家が持参のファイルを見せて下さった。
    これは何だ! 見慣れた器でも工芸品でもない。 何か分からないけど心惹かれる作品だった。
   


初めて出会った現代アートは ストーリー性の感じられる陶芸作品だった

   
    その時から造形作家・小倉薫と知り合い、作品を展示してあるギャラリー・ラウラを紹介されて現在に至る。
    現代アートはジャンルや技法の境界を越え、自由に表現できる楽しさ(苦しさも)があるそうだ。

    そして、それ以降に出会った作品や作家たちはいずれも現代アートの分野であったことに後で気づく。
    分からないもんだなあ、イメージの悪かった分野の作品を大事に飾ることになるなんて。
                                      4月11日(火) ひろ


けやき舎アート日記録 をよろしく

    これまで別枠のサイトで発信していた「ながくてアートネット」です。
    これまでは、秋のイベント「ながくてアートフェスティバル」の作品展示,イベント紹介が主な内容でした。
    昨年度で10年を迎えて一つの区切りとなったので、今年から少し内容を変えて発信したいと思います。

    これを機会に、「けやき舎アート日記録 暮らしにアート」と名称変更いたします。
    長久手,瀬戸,豊田などで見聞きした、アートに関する脈絡のない「つぶやき」をお伝えします。

    発信元はアトリエギャラリー・欅舎とし、「欅舎ひろ」の独断と偏見に満ちた語り口をご容赦ください。
                                     2017・4・10
                
    
    


瀬戸・愛知製陶所のノベリティ見本室

セトノベリティの見本ルーム 左手奥には広大な工場

左手奥には芸術家たちの工房があった


      
      瀬戸市は 瀬戸焼1300年の歴史をもつ日本を代表する窯業地です。
      生産されるものは食器や花瓶や茶器など、いわゆる「瀬戸物」が主流でした。

      しかし戦後の瀬戸窯業をけん引してきたのは、海外輸出用に生産されていた食器などのノベルティです。
       陶磁器製の置物や装飾品などを総称して「ノベルティ(Novelty)」と呼び、多くの種類があります。 


10年前に美しく再生された棚に並ぶ見本たち

一つ一つの見本は 全て一品もの


    特に戦後には多くの日本製ノベルティが輸出され、欧米 の家庭に潤いをもたらしていったのです。
    でも殆どが輸出されたこと、日本のライフスタイルと馴染みの薄いものだったため、普及しませんでした。
    そのため作品が世界中で高く評価されていたことを知る人は 日本では少ないのです。


天井,壁を塗り替える

花瓶や生活の器は今でも斬新

高級な絵皿は飾り物に


    セト・ノベルティとして自立し始めた後、円高や東アジアの生産地の台頭などで生産は低迷を続けました。
    その技術は心ある方々によって守られているものの、生業としては成り立たなくなりました。

    この愛知製陶所も20年も前に、操業をストップして現在に至っています。
    とても残念だけど、本日3月20日でこの製品見本室は役目を終えることになりました。

    左手の奥に進んでいくと、見本よりも性能の高い商品がたくさん揃っている工房があります。
    この工房も4月いっぱいで閉鎖するので、50%引きで製品が販売されるそうです。
    セトノベルティの製品を手元に残したいので、また行きます。   2017・3・20


アートフェスティバル最終日

      10月1日から始まった「ながくてアートフェスティバル」は、今日23日で終了しました。
      夕方の5時から文化の家では、出品してくださった作家たちが作品の搬出作業に大奮闘しました。
      搬出前に1,2階の作品を巡ります。



       上の作品は一階の展示室外のコンクリート壁にしっかりと吊り下げられています。
       下の作品は展示室の内部でした。



      二階は個室がないので、開放的な床や壁によく工夫して展示されています。
      決して恵まれた空間ではないけど、こんな場所に良く展示できた!と感心しました。



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